近いうちに、日本とアメリカの政策的な動きが予想される中で少しばかりの動きが出てきましたよね
結局はどの通貨や商品もアメリカの景気次第なので今週の製造、サービスの経済指標を結果をみてから動き始める
FXデイリー分析レポート [2025年09月09日]
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- コモディティ: USOIL (WTI原油)
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年09月08日(月) 東京時間午前6時 – 2025年09月09日(火) 東京時間午前6時
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
昨日の市場は、引き続き日本の政局不安と米国の利下げ観測が主要テーマとなりました。日本の首相辞意表明を受け、次期政権への期待と不透明感が交錯する中、東京市場では株高・円安が進行。一方、海外市場では米国の金融緩和期待が根強く、ドルが上値の重い展開となりました。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇯🇵 | 第2四半期GDP・2次速報値 | 前期比+0.5% | +0.3% | 予想を上回り、日本経済の底堅さが示された。円買い・株買いを一時的に支援。 |
🇨🇳 | 貿易収支(8月) | 1023.3億ドル | 980.0億ドル | 輸出入ともに堅調で、市場予想を上回る黒字額。豪ドルなど資源国通貨の買い要因。 |
🇩🇪 | 鉱工業生産指数(7月) | -0.1% (前月比) | +1.3% | 予想に反してマイナスとなり、ドイツ経済の減速懸念が再燃。ユーロ売り要因。 |
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): 複数の地区連銀総裁から発言がありましたが、市場の利下げ観測を覆すほどの強い内容はなく、来週のFOMC待ちの姿勢が継続しています。
- ECB(欧州中央銀行): 木曜日の理事会を前にブラックアウト期間中のため、発言はありません。市場は利下げの可能性を探っています。
- 日銀: 特筆すべき発言はありません。政局の動向が日銀の次の政策決定に影響を与える可能性が意識されています。
c. 地政学リスク・その他特記事項
- 日本の政局:次期総裁選の動向が焦点に: 石破首相の辞意表明を受け、自民党総裁選に向けた動きが活発化しています。候補者の経済政策(特に金融緩和や財政出動へのスタンス)が市場の最大の関心事となっており、関連報道で円相場や日本株が変動しやすい状況が続いています。昨日、東京市場で株価が大幅高となったのは、新政権による積極的な経済対策への期待感が背景にあります。
3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: 米国の利下げ期待と長期金利の低下を背景に買いが優勢となり、1オンス$3,600の大台を突破し、$3,635前後まで上昇しました。
- 本日の注目点: 史上最高値圏での推移が続いており、買い意欲は依然として旺盛です。米金利の動向が引き続き価格を左右します。大きな調整が入るまでは、押し目買いスタンスが優勢となりそうです。
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 東京時間には日本の政局を材料に一時148.58円まで上昇しましたが、その後は米長期金利の低下を受けてドル売りに押され、147円台半ばまで反落しました。
- 本日の注目点: 日本の政治動向による円売り圧力と、米国の金融緩和観測によるドル売り圧力が拮抗しています。明確な方向感が出にくい中、147円台を中心としたレンジ相場が続く可能性があります。日本の政治に関するニュース速報には引き続き注意が必要です。
Nikkei225 (日経平均)
- 昨日の値動き: 首相交代による新政権への期待から買いが先行し、前週末比625円高の43,643円と大幅に上昇しました。TOPIXはバブル後の最高値を更新しました。
- 本日の注目点: 昨日の上昇の勢いを維持できるか注目されます。米株高も支援材料ですが、高値警戒感からの利益確定売りも出やすいでしょう。引き続き総裁選の候補者選びの動向が相場の鍵を握ります。
GBPUSD (ポンドドル) / EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: ドルが軟調だったため両通貨ペアとも底堅く推移しましたが、ドイツの弱い経済指標を受けてユーロの上値は重くなりました。
- 本日の注目点: 本日は英国の雇用統計が発表されます。賃金の伸びがインフレ見通しに影響を与えるため、結果次第でポンドが大きく動く可能性があります。ユーロは木曜のECB待ちで動きにくい展開が予想されます。
AUDJPY (豪ドル円)
- 昨日の値動き: 良好な中国貿易収支と日本の株高を背景にリスクオンの円売り・豪ドル買いが優勢となり、堅調に推移しました。
- 本日の注目点: 世界的な株価の動向と、日本の政治情勢が材料となります。リスクセンチメントが良好な状態が続けば、引き続き底堅い展開が期待されます。
NASDAQ (ナスダック)
- 昨日の値動き: 米長期金利の低下が好感され、ハイテク株を中心に買いが集まり反発しました。終値は前日比+0.8%でした。
- 本日の注目点: 金利低下を追い風とした地合いが続くか注目されます。今週木曜の米CPI発表を控えており、次第に様子見ムードが強まる可能性もあります。
DAX (ドイツ株価指数)
- 昨日の値動き: 鉱工業生産の弱い結果を受けて、ドイツ経済への懸念から上値の重い展開となりました。
- 本日の注目点: 米国株の動向に連れ高となるか、それとも国内経済のファンダメンタルズの悪さが重しとなるか、綱引き状態が予想されます。
BTCUSD (ビットコイン)
- 昨日の値動き: 金融緩和期待を背景に他のリスク資産と同様に堅調に推移し、74,000ドル台を回復しました。
- 本日の注目点: マクロ経済環境が追い風となる中、株式市場、特にナスダックとの連動性を保ちながら底堅い動きが続くか注目されます。
USOIL (WTI原油)
- 昨日の値動き: 世界経済の減速懸念が根強いものの、米国の利下げ期待が需要見通しをある程度下支えし、小幅な値動きに留まりました。
- 本日の注目点: 本日は目立った材料に乏しく、ポジション調整の動きが中心となりそうです。需給に関する新たなヘッドラインが出ない限り、レンジ相場が続くとみられます。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: 中立(ややリスクオン寄り)
米国の利下げ期待と日本の新政権への期待感が、市場のセンチメントを下支えしています。ただし、欧州経済への懸念や重要イベントを控えていることから、積極的な上値追いには慎重さも見られます。 - 本日の戦略のヒント:
アジア時間は引き続き日本の政局に関するヘッドラインに注意が必要です。欧州時間には英国の雇用統計がポンド相場の変動要因となります。大きな流れとしては、木曜の米CPIとECB理事会待ちであり、それまでは方向感の出にくい展開も想定されます。突発的なニュースに備えつつ、レンジを意識した取引が有効かもしれません。