今週は指標まち。。。短期足のデイトレ中心
FXデイリー分析レポート [2025年09月10日]
本日はゴトー日(10日)です。
東京時間の仲値(9時55分)にかけて、本邦実需筋のドル買い需要が強まる傾向があります。USDJPYの上昇圧力となる可能性があるため、注意しましょう。
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- コモディティ: USOIL (WTI原油)
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年09月09日(火) 東京時間午前6時 – 2025年09月10日(水) 東京時間午前6時
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
昨日の市場は、米国の利下げ期待を背景としたリスクオンムードが継続し、米国株は史上最高値を更新しました。為替市場では、ロンドン時間に日銀の早期利上げ観測が浮上したことで一時的に円高が進む場面がありましたが、長続きはしませんでした。本日の米生産者物価指数(PPI)と明日の消費者物価指数(CPI)の発表を前に、市場は様子見姿勢を強めています。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇬🇧 | 失業率 (ILO方式, 7月) | 4.2% | 4.3% | 予想より若干良好だったものの、賃金の伸びが鈍化したためポンドの上値は限定的だった。 |
🇬🇧 | 平均賃金 (除賞与, 7月) | 前年比+5.8% | +6.0% | 伸びが鈍化し、BOEの利下げ期待を高める内容となり、ポンド売りを誘った。 |
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): ブラックアウト期間を前にした最後の発言機会でしたが、市場のセンチメントを大きく変える発言はなく、データ次第の姿勢が強調されました。
- ECB(欧州中央銀行): 明日の理事会を前にブラックアウト期間中です。
- 日銀: 市場では、日本の政局に関わらず日銀がデータに基づき政策を決定するとの見方が広がっており、ロンドン時間には早期利上げ観測から円が買われる場面がありました。
c. 地政学リスク・その他特記事項
- 日本の政局: 自民党総裁選を巡る報道が続いていますが、昨日は目立った進展はなく、相場への影響は限定的でした。引き続き候補者の経済政策スタンスが注目されます。
- 米物価指標待ち: 市場の関心は、本日発表の米PPI、明日発表の米CPIに完全に移っています。これらの結果が、FRBの9月利下げ幅の観測に直結するため、結果発表までは動きにくい展開が予想されます。
3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: 取引時間中に一時史上最高値を更新しましたが、その後は米長期金利が上昇したことを受けて利益確定売りに押され、1オンス$3,626前後で引けました。
- 本日の注目点: 米国の物価指標が最大の注目材料です。インフレの鈍化が確認されれば、米金利が低下し、再びゴールドの買いにつながる可能性があります。逆にインフレの根強さが示されれば、調整売りが強まる可能性も。
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 東京時間に146.82円まで下落した後、ロンドン時間には日銀の利上げ観測から146.31円まで一段安となりました。しかしNY時間にかけては米金利の上昇とともに買い戻され、147円台半ばまで値を戻しました。
- 本日の注目点: 東京時間は仲値に向けたドル買い需要が下支えとなりそうです。夜の米PPI発表までは147円台を中心としたレンジ相場が想定されます。PPIが予想以上に強い結果となれば、ドル買いが強まり148円台を試す展開も考えられます。
Nikkei225 (日経平均)
- 昨日の値動き: 前日の大幅高の反動から利益確定売りに押され、小幅に反落しました。
- 本日の注目点: 昨日の米国株が史上最高値を更新したことを好感し、買いが先行する可能性があります。ただし、国内の政治情勢や米物価指標の結果を見極めたいとの雰囲気も根強く、上値は限定的かもしれません。
GBPUSD (ポンドドル) / EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: ポンドドルは、弱い賃金データを受けて1.35台後半まで下落しました。ユーロドルは、明日のECB理事会を前に1.17台前半での小動きに終始しました。
- 本日の注目点: 両通貨ペアともに、夜の米PPIが最大の材料です。ドル主導の展開が予想され、PPIが弱い結果となれば反発、強い結果なら下落圧力が強まるでしょう。
AUDJPY (豪ドル円)
- 昨日の値動き: 世界的な株高を背景としたリスクオンムードに支えられ、底堅く推移しました。
- 本日の注目点: 本日は中国の物価統計(CPI, PPI)が発表されます。中国経済の現状を示す指標として、豪ドルの動向に影響を与えるため注目です。デフレ懸念が和らぐ内容となれば、豪ドル買いにつながる可能性があります。
NASDAQ (ナスダック)
- 昨日の値動き: 長期金利が上昇したにもかかわらず、利下げ期待を支えに続伸し、史上最高値を更新しました。終値は前日比+0.37%でした。
- 本日の注目点: 今夜の米PPI、明日のCPIが今後の相場の方向性を決定づける重要な指標となります。インフレ鈍化が確認されれば、さらなる上昇も期待されますが、強い結果が出た場合は調整が入るリスクがあります。
DAX (ドイツ株価指数)
- 昨日の値動き: 米国株の上昇に連れ高となり、反発しました。
- 本日の注目点: 明日のECB理事会と米国の物価指標の結果待ちで、様子見ムードが強まりそうです。
BTCUSD (ビットコイン)
- 昨日の値動き: 他のリスク資産と同様に堅調地合いを維持し、74,000ドル台で安定して推移しました。
- 本日の注目点: 米物価指標の結果に注目。インフレ鈍化による金融緩和期待は、暗号資産市場にとっても追い風となります。
USOIL (WTI原油)
- 昨日の値動き: OPECプラスの減産継続観測などが下支えとなり、小幅に上昇しました。
- 本日の注目点: 夜に発表される米週間石油在庫統計に注目です。在庫の減少が確認されれば、需給の引き締まりが意識され、価格を押し上げる可能性があります。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: 中立
米国の利下げ期待が市場を下支えする一方、今夜から本格化する米物価指標ウィークを前に、警戒感も漂っています。結果を見極めたいとする様子見ムードが支配的です。 - 本日の戦略のヒント:
アジア時間は中国の物価統計、東京仲値の動向に注目です。メインイベントは夜の米PPI発表であり、それまではポジションを大きく傾けにくい地合いでしょう。PPIの結果を受けて市場が大きく動く可能性があるため、発表前後の値動きには十分注意が必要です。