テクニカル視点では動きがありそう。ファンダが必要な方は参考にされてくださいね!
FXデイリー分析レポート [2025年09月25日]
本日はゴトー日&月末モードに注意
本日9月25日はゴトー日にあたり、東京時間の仲値(日本時間9時55分)に向けて国内輸入企業などによる実需のドル買い需要が強まりやすいアノマリーがあります。ドル円やクロス円の動向に注目です。
また、月末まで5日となり、市場は月末モードに入りつつあります。日本時間24時(ロンドン冬時間の場合)に決定される「ロンドンフィキシング」に向けては、実需のフローが交錯し、特にポンドなどの欧州通貨でボラティリティが高まる可能性があるため注意が必要です。
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- コモディティ: USOIL (WTI原油)
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年09月24日(水) 東京時間午前6時 – 2025年09月25日(木) 東京時間午前6時
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
昨日の海外市場は、ドルが全面高の展開となりました。予想を上回る米国の住宅関連指標に加え、FRBのパウエル議長がインフレへの不確実性に言及したことがタカ派的と受け止められ、米長期金利が上昇。これがドルを押し上げる主な要因となりました。金利上昇を嫌気し、米国株は主要3指数ともに下落。市場はリスクオフムードに傾きました。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇺🇸 | 新築住宅販売件数 (8月) | 65.9万件 | 64.9万件 | 予想を上回り、米経済の底堅さを示唆。ドル買い・金利上昇要因。 |
🇪🇺 | ドイツ Ifo景況感指数 (9月) | 89.2 | 89.5 | 予想を下回り、ドイツ経済の先行き不透明感が継続。ユーロ売り要因。 |
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): パウエル議長が「インフレ経路に関する不確実性は依然高い」「株価はかなり高い評価水準にある」などと発言。 市場はこれをインフレ抑制への強い姿勢(タカ派的)と受け止め、追加利下げ観測が後退。ドル買いを後押ししました。
- ECB(欧州中央銀行): 特筆すべき発言はありませんでした。
- BOE(イングランド銀行): 特筆すべき発言はありませんでした。
- 日銀: 本日朝に日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表されます。
c. 地政学リスク・その他特記事項
- ドル全面高の展開: 強い米経済指標とFRBのタカ派姿勢という「良いニュース」が、金利上昇を通じて株価には「悪いニュース」として作用しました。安全資産への逃避と高い金利を求める動きから、資金がドルに集中する展開となりました。
3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 米長期金利の上昇を背景に、日米金利差の拡大が強く意識され、一時148円80銭台まで上値を伸ばしました。
- 本日の注目点: 東京時間はゴトー日の仲値に向けたドル買い需要に注目。その後は、夜に発表される米国の第2四半期GDP(確報値)や新規失業保険申請件数、耐久財受注などの重要指標を控えており、結果次第で大きく動く可能性があります。
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: 金利を生まない資産であるゴールドは、米長期金利の上昇とドル全面高が強い逆風となり、1オンス$3710台まで下落しました。
- 本日の注目点: 引き続き米金利の動向が最大の焦点です。米経済指標が強い結果となれば、金利がさらに上昇しゴールドには下押し圧力となる可能性があります。逆に、弱い結果となれば金利低下から買い戻される展開も想定されます。
EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: ドイツの弱い経済指標と、米国の強い材料が重なり、ドル高・ユーロ安が進行。一時1.08ドル台前半まで下落しました。
- 本日の注目点: 欧州時間にはドイツのGfK消費者信頼感調査が発表されます。 欧州経済の弱さが改めて示されれば、ユーロの上値は重いままとなりそうです。基本的には米経済指標を受けたドル主導の展開が予想されます。
その他 (GBPUSD, AUDJPY, DAX, BTCUSD, USOIL)
- GBPUSD: ドル全面高の流れに押され、下落。月末のロンドンフィキシングに向けて、実需のフローによる変動に注意が必要です。
- AUDJPY: ドル円の上昇に支えられ底堅く推移しましたが、市場全体のリスクオフムードが上値を抑えました。
- NASDAQ (ナスダック): 長期金利の上昇を特に嫌気され、主要株価指数の中でも下落率が大きくなりました。
- Nikkei225 (日経平均): 昨日の米株安の流れを受け、本日は軟調なスタートが予想されます。ドル円の上昇が下支え要因となるか注目です。
- DAX (ドイツ株価指数): 国内の景況感悪化と米株安を受けて下落。本日も上値の重い展開が想定されます。
- BTCUSD (ビットコイン): リスクオフムードが強まる中、他のリスク資産と同様に売られ、62,000ドル台まで下落しました。
- USOIL (WTI原油): ドル高が重しとなり、上値の重い展開。世界経済の減速懸念も意識されています。テクニカル的視点では直近高値を超えてきたのが注目。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: リスクオフ 米国の金利上昇とドル全面高、株安という典型的なリスクオフの地合いとなっています。FRBがインフレを警戒し、金融引き締めを緩めないとの見方が市場の重しとなっています。
- 本日の戦略のヒント: ドル高の流れが継続するかどうかが焦点となります。東京時間は、ゴトー日の仲値トレードに注目。ただし、夜の米重要指標発表までは大きなポジションを取りにくい地合いでもあり、様子見ムードが広がる可能性もあります。指標発表後のトレンドを見極めてから動くのが賢明かもしれません。