2025年9月24日本日の相場分析

テクニカルになりますが方向感の乏しい展開がつづいているので伸ばしすぎないことを念頭に置いておきましょう。短めの1:2くらいでチョロチョロとっていく作戦です。

アジア時間トレーダー向け日刊ファンダメンタル分析

FXデイリー分析レポート [2025年09月24日]

月末フローへの注意喚起 & 明日はゴトー日

今週も後半に入り、月末月初の特殊な資金フローが意識される時期になりました。特に月末のロンドンフィキシング(日本時間深夜1時)にかけては、実需の取引が集中し、相場の急変を招く可能性がありますのでご注意ください。

また、明日25日はゴトー日(5の倍数の日)です。東京時間の仲値(午前9時55分)にかけて、本邦輸入企業によるドル買い需要が強まる傾向があるアノマリーが知られています。

1. 分析対象

  • 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
  • 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
  • コモディティ: USOIL (WTI原油)
  • 暗号資産: BTCUSD
  • 対象期間: 2025年09月23日(火) 東京時間午前6時 – 2025年09月24日(水) 東京時間午前6時

2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)

昨日の海外市場は、パウエルFRB議長の発言に注目が集まりました。議長はインフレの上振れリスクと雇用の下振れリスクの双方に言及し、「リスクのない道はない」と慎重な姿勢を強調しました。この発言は、積極的な追加利下げ期待をやや後退させたものの、同時に性急な引き締めへの懸念も和らげたため、市場は全体的に底堅く推移しました。米国株は上昇し、ドルは小幅な値動きに終始しましたが、安全資産であるゴールドは史上最高値を更新する強い動きを見せました。

a. 主要経済指標の結果

指標名 結果 市場予想 影響
🇺🇸 コンファレンスボード消費者信頼感指数 (9月) 101.5 102.0 予想をわずかに下回ったが、市場への影響は限定的。注目がパウエル議長発言に集中していたため、材料視されなかった。

b. 要人発言・金融政策

  • FRB(米連邦準備制度理事会): パウエル議長が経済見通しについて講演。「インフレの上振れリスクと、雇用の下振れリスクがあり、状況は困難」「リスクのない道はない」と発言し、金融政策の舵取りの難しさを強調しました。今後の利下げについては明言を避け、データ次第で慎重に判断する姿勢を示唆したことで、市場の過度な利下げ期待が若干修正されました。
  • ECB(欧州中央銀行)/ BOE(イングランド銀行)/ 日銀: 昨日、特に市場を動かすような主要な発言はありませんでした。

c. 地政学リスク・その他特記事項

  • 引き続き、貿易摩擦や中東情勢などの地政学リスクは市場の根底にくすぶっており、リスクオフの際には安全資産(ゴールド、円、ドル)への資金流入を促す要因となります。

3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点

XAUUSD (ゴールド)

  • 昨日の値動き: パウエル議長の慎重な発言や根強いインフレ懸念を背景に、安全資産として買い進まれました。一時1オンス$3,780ドル台に乗せ、史上最高値を更新しました。
  • 本日の注目点: 最高値圏での推移が予想されます。高値警戒感からの利益確定売りと、押し目買いの攻防が焦点となります。米長期金利の動向が当面の手がかりとなりそうです。

USDJPY (ドル円)

  • 昨日の値動き: パウエル議長の発言を受けて米長期金利が方向感に欠ける動きとなったため、ドル円も147円台後半でのもみ合いに終始しました。
  • 本日の注目点: 引き続き米金利動向を睨んだ展開となりそうです。アジア時間では実需のフローを除いて大きな動きは想定しにくいですが、明日のゴトー日に向けたポジション調整の動きには注意が必要です。

GBPUSD (ポンドドル) & EURUSD (ユーロドル)

  • 昨日の値動き: ドルが明確な方向性を示さなかったため、両通貨ペアともに小幅なレンジでの取引となりました。GBPUSDは1.35台前半、EURUSDは1.18手前での推移でした。
  • 本日の注目点: 本日はドイツのIfo景況感指数が発表されます。欧州経済の先行指標として注目されており、結果次第ではユーロ相場が動く可能性があります。

AUDJPY (豪ドル円)

  • 昨日の値動き: 米国株の上昇など、世界的なリスクセンチメントの改善を受けて底堅く推移し、97円台後半まで上昇しました。
  • 本日の注目点: アジア時間の主役は豪ドルとなる可能性があります。本日、オーストラリアの8月月次消費者物価指数(CPI)が発表されます。結果が市場予想から大きく乖離した場合、豪ドルが大きく変動する可能性があるため最重要の注目指標です。

NASDAQ (ナスダック) & Nikkei225 (日経平均)

  • 昨日の値動き: NASDAQは続伸しました。パウエル議長の発言が無難に通過したとの安堵感から、ハイテク株を中心に買いが入りました。DAXも堅調に推移しました。
  • 本日の注目点: 米国株高の流れを引き継ぎ、日経平均も底堅いスタートが予想されます。ただし、25日のゴトー日や月末を控えているため、利益確定売りに押される場面も想定されます。

BTCUSD (ビットコイン) & USOIL (WTI原油)

  • BTCUSD: リスクオンムードの改善を受け、他のリスク資産と同様に堅調に推移しました。
  • USOIL: 世界経済のソフトランディング期待から需要が底堅いとの見方が広がり、1バレル$63ドル台を維持しました。

4. 総括・本日の市場センチメント

  • 全体的なリスクセンチメント: 中立〜ややリスクオン
    パウエル議長発言という重要イベントを波乱なく通過し、米国市場では株価が上昇するなど、市場には安堵感が広がっています。ただし、議長が示したようにインフレと雇用の両面にリスクを抱える状況に変わりはなく、積極的なリスクテイクは手控えられそうです。
  • 本日の戦略のヒント:
    アジア時間の最大の注目は、オーストラリアのCPIです。結果次第で豪ドル中心にボラティリティが高まる可能性があるため、発表時間を跨ぐ取引には注意が必要です。それ以外の通貨ペアは、昨日の流れを引き継ぎ、米長期金利を睨みながらの神経質な展開が予想されます。月末に向けたフローも意識し始め、突発的な動きに備えましょう。