2025年9月23日本日のファンダ分析

アジア時間トレーダー向け日刊ファンダメンタル分析

FXデイリー分析レポート [2025年09月23日]

日本市場は休場・月末フローに注意

本日、日本は「秋分の日」の祝日で市場は休場です。これにより、東京時間は流動性が著しく低下し、特に円絡みの通貨ペアでは通常よりボラティリティが高まる可能性があるため注意が必要です。

また、今月末9月30日(火)のロンドンフィキシングまで5営業日となりました。月末に向けて機関投資家のリバランスに伴う実需のドル買いなどが観測されやすくなるため、相場の急変に警戒が必要です。

1. 分析対象

  • 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
  • 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
  • コモディティ: USOIL (WTI原油)
  • 暗号資産: BTCUSD
  • 対象期間: 2025年09月22日(月) 東京時間午前6時 – 2025年09月23日(火) 東京時間午前6時

2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)

昨日の海外市場は、米国株が史上最高値を更新するなどリスクオンムードが広がる一方で、為替市場では根強い米利下げ観測からドルが軟調に推移するなど、複雑な様相を呈しました。FRB高官からはタカ派的な発言も聞かれ、米長期金利は上昇しましたが、株式市場への影響は限定的でした。

a. 主要経済指標の結果

指標名 結果 市場予想 影響
🇺🇸 8月シカゴ連銀全米活動指数 -0.12 7月の-0.28から改善したものの、市場への影響は限定的。
🇪🇺 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値) -14.9 -15.0 予想をわずかに上回り、ユーロをサポートする一因となった可能性があります。

b. 要人発言・金融政策

  • FRB(米連邦準備制度理事会): 一部のFRB高官からタカ派的な発言が見られ、米長期金利の上昇を招きました。しかし、市場全体の利下げ期待を覆すには至らず、ドルは上値の重い展開となりました。
  • ECB(欧州中央銀行): エスクリバ・スペイン中銀総裁が「為替レート水準は懸念材料ではない」と発言しました。
  • BOE(イングランド銀行): 日本時間深夜にベイリー総裁の発言機会がありました。
  • 日銀: 特段の金融政策に関する発言はありませんでした。

c. 地政学リスク・その他特記事項

  • 月末に向けたフロー: 9月も下旬に入り、月末月初のロンドンフィキシングに向けた実需のフローが意識され始める時期です。特に月末にかけては、ドル買い需要が高まる傾向があるため注意が必要です。

3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点

XAUUSD (ゴールド)

  • 昨日の値動き: ドル安の流れを受けて堅調に推移し、一時1オンス$3750に迫る場面がありました。米長期金利の上昇が上値を抑えましたが、底堅く引けています。
  • 本日の注目点: 東京時間は動意に乏しい展開が予想されます。欧州時間以降、米金利の動向をにらみながら、$3750のサポートと$3740のレジスタンスを意識した値動きとなるか注目です。

USDJPY (ドル円)

  • 昨日の値動き: 米国の利下げ観測を背景としたドル売りが優勢となり、148円台前半から一時147.66円まで下落しました。
  • 本日の注目点: 日本市場が休場のため、東京時間は147円台後半での小動きが予想されます。流動性の低下による突発的な値動きには警戒が必要ですが、基本的には欧米時間の米金利動向に連動する展開となるでしょう。

GBPUSD (ポンドドル)

  • 昨日の値動き: ドル安を背景に買いが優勢となり、1.3521ドルまで上昇しました。
  • 本日の注目点: ベイリー総裁の発言内容の反芻からスタートします。目立った経済指標がないため、ドル相場の動向次第となりますが、引き続き底堅い展開が予想されます。

AUDJPY (豪ドル円)

  • 昨日の値動き: ドル円の下落に連れて上値の重い展開となりましたが、米国株の上昇がリスクセンチメントを支え、98円台後半で底堅く推移しました。
  • 本日の注目点: 日本休場で積極的な取引は手控えられそうです。豪ドルは中国経済の動向にも影響を受けるため、関連ニュースにも注意が必要です。

EURUSD (ユーロドル)

  • 昨日の値動き: 欧米の金融政策の方向性の違いが意識され、一時1.1804ドルまで上昇しました。
  • 本日の注目点: 1.18ドルの節目を固められるか注目されます。ユーロ圏の経済指標に乏しい中、ドル全体の動きに左右される展開が続きそうです。

NASDAQ (ナスダック総合指数)

  • 昨日の値動き: 金利上昇にもかかわらず、アップルやエヌビディアなどのハイテク株が買われ、続伸して史上最高値を更新しました。
  • 本日の注目点: 米国株の力強い地合いが続くか注目されます。金利動向への感応度が高いため、本日も米長期金利の動きが鍵となります。

Nikkei225 (日経平均)

  • 本日は休場です。

DAX (ドイツ株価指数)

  • 昨日の値動き: 米国株高を好感し、底堅く推移しました。
  • 本日の注目点: ユーロ圏の景況感への懸念は残るものの、外部環境の改善を受けて高値圏を維持できるか注目されます。

BTCUSD (ビットコイン)

  • 昨日の値動き: 株式市場のリスクオンムードを背景に、$72,000近辺まで上昇するなど底堅い値動きとなりました。
  • 本日の注目点: 金融市場全体のセンチメントに連動する展開が予想されます。株価が堅調を維持するようであれば、上値を試す可能性があります。

USOIL (WTI原油)

  • 昨日の値動き: イラクの輸出量増加報道などが嫌気され、続落しました。1バレル$84台まで下落しています。
  • 本日の注目点: 需給緩和への意識から上値の重い展開が予想されます。中東情勢など地政学リスクに関するニュースには引き続き注意が必要です。

4. 総括・本日の市場センチメント

  • 全体的なリスクセンチメント: 中立
    米国株は堅調でリスクオン地合いが継続していますが、為替市場ではドルが売られるなど、市場全体で方向性が定まっているわけではありません。日本市場が休場であることもあり、本日のアジア時間は様子見ムードが強まるでしょう。
  • 本日の戦略のヒント:
    東京時間は流動性の低下に最大限注意し、取引を手控えるか、ごく短期の値動きに絞るのが賢明です。欧州時間以降は、米長期金利と米国株価指数の先物の動向に注目。月末に向けたドル買いの動きが出てくる可能性も念頭に置きつつ、ドル安の流れが継続するかを見極める必要があります。