2025年9月4日本日のファンダ分析

アジア時間トレーダー向け日刊ファンダメンタル分析

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FXデイリー分析レポート [2025年9月4日]

注目:月初にあたり、ロンドンフィキシング(日本時間24時)にかけては、実需のフローが集中しやすく相場が急変する可能性があります。特に月末月初はこの傾向が強まるため、ポジション管理にご注意ください。


1. 分析対象

  • 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
  • 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
  • 商品: USOIL (WTI原油)
  • 暗号資産: BTCUSD
  • 対象期間: 2025年9月3日 東京時間午前6時 – 2025年9月4日 東京時間午前6時

2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)

a. 主要経済指標の結果

指標名 結果 市場予想 影響
🇺🇸 JOLTS求人件数(7月) 718.1万人 737.0万人 ドル売り要因

昨晩発表された米国の7月JOLTS求人件数は、市場予想を大幅に下回り、労働市場の冷却化を示す強い証拠となりました。この結果を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げの観測が大きく後退し、米長期金利が低下。ドルは主要通貨に対して全面的に売られる展開となりました。

b. 要人発言・金融政策

  • FRB(米連邦準備制度理事会): JOLTSの結果が市場の金融政策見通しに大きな影響を与えました。市場はこれをハト派的な材料と解釈し、年内の利下げ期待を織り込む動きも見られます。
  • ECB(欧州中央銀行): 域内のインフレ指標に依然として注目が集まっていますが、昨日は目立った発言はありませんでした。
  • BOE(イングランド銀行): 特段の材料は見られませんでした。
  • 日銀: 特段の材料は見られませんでした。

c. 地政学リスク・その他特記事項

特筆すべき大きな地政学リスクの変化は見られませんでした。市場の焦点は完全に米国の経済指標と金融政策の行方に絞られています。


3. 各通貨ペアの分析と本日の注目点

XAUUSD (ゴールド)

  • 昨日の値動き: 米長期金利の急低下とドルの全面安を背景に、ゴールドは買いが殺到しました。価格は急騰し、一時1オンス$3,580を試す展開となりました。
  • 本日の注目点: JOLTS後のドル安の流れが継続するかが最大の焦点です。$3,500の心理的節目を明確に上抜けることができるか、テクニカル的な観点からも注目されます。僕は3500以下まで戻せば買い予定。今夜以降に発表される米国の他の雇用関連指標にも市場の関心は向かっています。

USDJPY (ドル円)

  • 昨日の値動き: JOLTSの結果を受けた米長期金利の低下で日米金利差の縮小が強く意識され、ドル円は急落。一時144円台前半まで大きく値を下げました。
  • 本日の注目点: ドル売りの地合いが続く中、どこまで下値を試すか注目されます。本日は東京市場で目立った材料はありませんが、昨日の流れを引き継いだドル売り圧力が続く可能性があります。

GBPUSD (ポンドドル)

  • 昨日の値動き: ドルが全面的に売られたことを受け、ポンドドルは大幅に上昇しました。一時1.2750ドルを超える強い動きを見せました。
  • 本日の注目点: 基本的にはドルの動向次第ですが、英国経済の先行き不安は根強く、一本調子の上昇が続くかは不透明です。ドル売りの一服場面では利益確定売りに押される可能性もあります。

AUDJPY (豪ドル円)

  • 昨日の値動き: ドル円の急落に連れて下落しました。リスクオンのドル安ムードが豪ドルを支える一方で、円高の圧力が上値を抑えるという綱引き状態になりました。
  • 本日の注目点: 中国の経済指標や商品市況も睨みながらの展開となりますが、短期的にはドル円の動きに最も影響を受けやすいでしょう。

EURUSD (ユーロドル)

  • 昨日の値動き: ドル全面安の流れに乗り、ユーロドルは大きく上昇しました。節目であった1.0900ドルを明確に上抜け、勢いを強めています。
  • 本日の注目点: ドル安地合いが続く限り、堅調な展開が予想されます。ECBの金融政策スタンスも材料視されますが、当面は米国の経済指標が相場の主導権を握りそうです。

NASDAQ (ナスダック総合指数)

  • 昨日の値動き: 米長期金利の低下は、金利に敏感なハイテク・グロース株にとって最大の好材料となりました。ナスダックは大幅に続伸しています。
  • 本日の注目点: 金利低下とドル安の流れがどこまで続くか。市場のリスクセンチメントは改善しており、この流れが続くか注目されます。

Nikkei225 (日経225)

  • 昨日の値動き: 前日の米国株高を受けて上昇しましたが、ドル円の急落(円高)が輸出関連株の重石となり、上値は限定的でした。
  • 本日の注目点: 米国株の動向を好感する買いと、円高を警戒する売りの綱引きとなりそうです。方向感の出にくい展開も想定されます。

DAX (ドイツ株価指数)

  • 昨日の値動き: 米国発のリスクオンムードに支えられましたが、ユーロ高が輸出企業の重石となり、米国株ほどの大きな上昇とはなりませんでした。
  • 本日の注目点: ユーロ圏の景況感を示す指標に注目です。ユーロ高の進行が今後のドイツ株の上値を抑える要因となる可能性があります。

BTCUSD (ビットコイン)

  • 昨日の値動き: 金融緩和期待とリスクセンチメントの改善を背景に、暗号資産市場にも資金が流入。ビットコインは堅調に推移しました。
  • 本日の注目点: 株式市場、特にナスダックとの相関性が高まっており、米国の金利動向を睨みながらの展開が続きそうです。

USOIL (WTI原油)

  • 昨日の値動き: 米国の労働市場減速が将来の景気後退とエネルギー需要の減少につながるとの懸念から、原油価格は下落しました。
  • 本日の注目点: 世界経済の先行きを示す各種経済指標と、OPECプラスの生産方針に関する報道に引き続き注意が必要です。

4. 総括・本日の市場センチメント

  • 全体的なリスクセンチメント: リスクオン
  • 本日の戦略のヒント: JOLTSショックとも言える弱い結果を受け、市場は完全に「ドル売り・リスクオン」ムードに傾いています。この大きな流れに逆らうのは得策ではないでしょう。ただし、急激な変動の後であり、短期的には利益確定の動きも出やすいため、高値追いは慎重に行う必要があります。本日以降も米国の雇用関連指標の発表が続くため、結果次第では再び相場が大きく動く可能性があります。