本日はゴトー日であり米雇用統計を見据えたトレーダーたちが普段と違う動きをみせてきます。
モメンタムの発生を狙うなどの短期的な投資以外はテクニカルが効きづらい
FXデイリー分析レポート 2025年9月5日(金)
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 商品: USOIL (WTI原油)
- インデックス: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年9月4日(木) 東京時間6:00 ~ 2025年9月5日(金) 東京時間6:00
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
昨日の市場は、欧州中央銀行(ECB)関係者からのタカ派的な発言を受けてユーロが買われた一方、米国の長期金利がやや低下したことでドルが上値の重い展開となりました。米国株式市場は堅調に推移し、ナスダック総合指数は上昇して引け、市場全体のリスクセンチメントは改善しました。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇺🇸 | 新規失業保険申請件数 | 22.5万件 | 22.0万件 | ほぼ予想通りで限定的 |
🇺🇸 | 貿易収支 | -$750億 | -$745億 | ほぼ予想通りで限定的 |
🇪🇺 | ユーロ圏小売売上高 (前月比) | +0.5% | +0.3% | 予想を上回りユーロ買い要因 |
*(注)上記は東京時間9月5日0時までに発表された主要指標です。*
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): 目立った発言はなく、市場は週末の雇用統計待ちのムードが漂っていました。
- ECB(欧州中央銀行): 複数の当局者から「利下げサイクルはおそらく終了した」との見解が示され、追加利下げ観測が後退。ユーロを押し上げる要因となりました。
- BOE(イングランド銀行): 特筆すべき発言はありませんでした。
- 日銀: 氷見野副総裁が経済の不確実性に言及しましたが、新たな政策変更を示唆する内容ではなく、市場の反応は限定的でした。
c. 地政学リスク・その他特記事項
特筆すべき大きな地政学リスクのヘッドラインはなく、市場は金融政策の方向性に注目する展開でした。
3. 各通貨ペアの分析と本日の注目点
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: 1オンス$3500を超えて現在も高値更新まっしぐら、一時$3580付近まで。米長期金利の低下がゴールド価格を下支えしましたが、ドル高が一服したことも買い安心感につながりました。ただし高値更新中なので飛び乗りはコワイ。
- 本日の注目点: 本日は週末前のポジション調整に注意が必要です。雇用統計の結果で相場がかなり動くと思われます、引き続き米長期金利とドル指数の動きが焦点となります。上値はレジスタンスがないので下げてくれたらすくいあげたい。
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 148円台前半から半ばでの比較的狭いレンジでの推移となりました。米金利低下は上値を抑える要因となったものの、根強いドル買い需要に支えられました。
- 本日の注目点: 本日は5のつく「ゴトー日」です。東京市場の仲値(9時55分)にかけて、本邦実需筋のドル買い需要が高まるアノマリーがあり、一時的なドル高円安に注意が必要です。週末を控えているため、仲値通過後はポジション調整の売買が交錯する可能性があります。
GBPUSD (ポンドドル)
- 昨日の値動き: ドルがやや軟調だったことを背景に、1.27台前半で底堅く推移しました。
- 本日の注目点: 英国からの経済指標発表が少ないため、引き続き米国の金融政策見通しやドル全体の動向に左右される展開となりそうです。
AUDJPY (豪ドル円)
- 昨日の値動き: 米国株の上昇などリスクオンの流れを受けて買いが優勢となり、97円台を回復しました。
- 本日の注目点: 中国経済の動向や、世界的な株価の動きに注目。リスクオンムードが継続すれば、豪ドル円は底堅く推移する可能性があります。
EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: ECB当局者のタカ派発言を好感し、1.08台後半まで上昇しました。
- 本日の注目点: 昨日の上昇分を維持できるか注目されます。欧州時間での追加の要人発言には注意が必要です。
NASDAQ (ナスダック)
- 昨日の値動き: 金利低下を好感し、ハイテク株を中心に買われ続伸しました。終値は21,704.98 (+0.96%)と堅調でした。
- 本日の注目点: 上昇トレンドが継続するかどうか。週末を前に利益確定の売りが出やすい点には注意が必要です。
Nikkei225 (日経平均)
- 昨日の値動き: 前日の米国株高の流れを引き継ぎ、42,500円台を回復し堅調に推移しました。
- 本日の注目点: 米国株の流れを引き継ぎ、買い先行で始まることが予想されます。ゴトー日に伴うドル円の動向が輸出関連株に影響を与える可能性があります。
DAX (ドイツDAX)
- 昨日の値動き: ECBのタカ派姿勢や米国株高を背景に上昇しました。
- 本日の注目点: ユーロ圏の景況感を示す指標に反応するかどうか。高値圏での推移が続いており、過熱感には注意が必要です。
BTCUSD (ビットコイン)
- 昨日の値動き: リスクオンムードの中、$70,000台を回復し、堅調に推移しました。
- 本日の注目点: 株式市場との相関性が高まっており、ナスダックなど主要株価指数の動きに連動する可能性があります。
USOIL (WTI原油)
- 昨日の値動き: 世界経済の需要期待と供給懸念が綱引きとなり、1バレル$81台でのもみ合いとなりました。
- 本日の注目点: 中東情勢に関するニュースや、週末前のポジション調整の動きに注意が必要です。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: ややリスクオン
- 本日の戦略のヒント:
- 東京時間は、ゴトー日の仲値に向けたドル買い需要に注目。ドル円の短期的な上昇を狙う動きが考えられます。
- 主要な経済指標の発表がないため、明確な方向感は出にくい可能性があります。欧米市場の動向を見極めたい参加者が多く、レンジ相場を意識した取引が中心となりそうです。
- 金曜日のため、欧州時間以降は週末を控えたポジション調整のフローが強まる可能性があり、予期せぬ値動きに注意が必要です。