FXデイリー分析レポート [2025年09月26日]
最重要指標:米PCEデフレーター発表 & 月末ロンドンフィキシング
本日日本時間21時30分に、FRBがインフレ指標として最も重視する8月個人消費支出(PCE)デフレーターが発表されます。結果は今後の金融政策を占う上で極めて重要であり、相場が大きく動く可能性があります。
また、月末が迫っているため、日本時間25時(ロンドン16時)のロンドンフィキシングにかけて、実需のフローによる価格変動が大きくなる可能性があるため注意が必要です。
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- コモディティ: USOIL (WTI原油)
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年09月25日(木) 東京時間午前6時 – 2025年09月26日(金) 東京時間午前6時
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
昨日の海外市場は、予想を上回る力強い米経済指標を受けて米長期金利が上昇し、全般的にドルが買われる展開となりました。一方で、本日発表されるFRBが最重要視するインフレ指標「PCEデフレーター」を前に、積極的な取引は手控えられ、様子見ムードも漂いました。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇺🇸 | 第2四半期 実質GDP(確定値) | 年率 +3.8% | +3.6% | 予想を上回る強い結果。米国経済の底堅さを示し、ドル買い要因。 |
🇺🇸 | 週間新規失業保険申請件数 | 21.5万件 | 22.0万件 | 予想より少なく、労働市場の引き締まりを示唆。ドル買い要因。 |
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): ダラス連銀のローガン総裁が、FRBの金融政策における操作目標金利の近代化について言及しました。直接的な金融政策の方向性を示すものではありませんでしたが、将来的な政策運営の枠組みに関する議論として注目されました。
- ECB / BOE / 日銀: 市場を動かす特筆すべき発言はありませんでした。
c. 地政学リスク・その他特記事項
- PCEデフレーターへの警戒感: 市場の関心は、本日日本時間21:30に発表される米国の8月個人消費支出(PCE)デフレーターに集中しています。FRBの金融政策判断に直結するため、結果発表までポジション調整の動きが中心となりました。
3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 強い米GDPの結果と米長期金利の上昇を受け、一時149円80銭台まで上昇しました。
- 本日の注目点: PCEデフレーターが最大の焦点です。インフレの根強さが示されれば、FRBの利上げ長期化観測から150円の節目を目指す展開が予想されます。逆にインフレ鈍化が確認されれば、金利低下とともにドルが売られやすくなるでしょう。
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: ドル高と米金利上昇が重しとなり、利益確定売りに押され、1オンス$3,730台で推移しました。
- 本日の注目点: PCEデフレーターの結果に敏感に反応するでしょう。インフレ鈍化による金利低下観測は、金利のつかないゴールドにとって買い材料となります。逆にインフレが根強いとドル高・金利高が進み、下押し圧力が強まる可能性があります。
GBPUSD (ポンドドル) & EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: 全面的なドル高の流れに押され、GBPUSDは1.33台前半、EURUSDは1.16台後半へと下落しました。
- 本日の注目点: 引き続きドル主導の展開が予想されます。PCEの結果次第で、昨日のドル高の流れが加速するのか、あるいは巻き戻しが起こるのかが決まるでしょう。
その他 (AUDJPY, NASDAQ, Nikkei225, DAX, BTCUSD, USOIL)
- AUDJPY: 米PCEの結果を受けたリスクセンチメントの変動に注意。リスクオンなら円売り・豪ドル買いの可能性。
- NASDAQ: PCEの結果が金利動向を左右するため、発表後の動きが注目されます。インフレ鈍化なら買い戻しの可能性。
- Nikkei225: 米PCEの結果と米国株の反応に注目。円安は支えだが、米国株が崩れると連れ安リスクあり。
- DAX: 米国の金融政策の先行きを見極めたいムードの中、米国市場の動向に連動する見込み。
- BTCUSD: リスク資産として、PCE発表後の株式市場の動向に連れる展開が想定されます。
- USOIL: PCEの結果が米国の景気見通しに影響を与えるため、原油需要の観点から注目されます。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: 中立(PCEデフレーター待ち)
本日最大のイベントである米PCEデフレーターの発表を前に、市場は完全に様子見ムードです。結果が予想から乖離した場合、相場が大きく変動する可能性があるため、極めて高い警戒感が漂っています。 - 本日の戦略のヒント:
東京時間から欧州時間にかけては、PCEの発表を控えて動意に乏しい展開が予想されます。日本時間21:30の指標発表後はボラティリティの急上昇が想定されるため、ポジション管理には最大限の注意が必要です。また、月末が近いことから、ロンドンフィキシング(日本時間25時/サマータイム)にかけて実需のフローによる不規則な値動きが発生する可能性にも備えましょう。