FXデイリー分析レポート [2025年09月22日]
週明けの市場、中国金利発表に注目
先週の金融政策スーパーウィークを通過し、市場は新たな材料を探る展開で週明けを迎えました。本日のアジア時間では、日本時間午前10時に発表される中国の最優遇貸出金利(LPR)が最初の注目材料となります。結果次第では豪ドルやリスクセンチメント全体に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
1. 分析対象
- 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
- 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
- コモディティ: USOIL (WTI原油)
- 暗号資産: BTCUSD
- 対象期間: 2025年09月21日(日) 東京時間午前6時 – 2025年09月22日(月) 東京時間午前6時
2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)
先週末金曜日の海外市場は、米国の経済指標に振らされる展開となりました。予想を上回る米小売売上高を受けて一時ドル買いが強まりましたが、その後に発表された住宅市場関連の指標が冴えなかったことからドルは失速。主要通貨は対ドルで底堅く推移しました。株式市場は、これまでの上昇に対する利益確定の動きも見られ、高値圏で方向感の乏しい動きとなりました。
a. 主要経済指標の結果
国 | 指標名 | 結果 | 市場予想 | 影響 |
---|---|---|---|---|
🇺🇸 | 小売売上高 | (前回より強い結果) | (予想を上回る) | 発表直後は米金利上昇・ドル買いで反応。 |
🇺🇸 | 住宅市場指数 | (前回より弱い結果) | (予想を下回る) | ドル買いの流れを後退させ、相場を押し戻す要因に。 |
(注)週末のため、過去24時間の新たな主要経済指標の発表はありません。上記は先週末金曜日の指標です。 |
b. 要人発言・金融政策
- FRB(米連邦準備制度理事会): 週末だったため、新たな要人発言はありませんでした。市場は先週のFOMCの結果を消化する段階にあります。
- 日銀: 先週の会合で植田総裁は、物価目標の実現確度が高まれば金融緩和度合いの調整を行う可能性に言及しており、市場では円安牽制と受け止められています。
c. 地政学リスク・その他特記事項
- 週末にかけて、市場のセンチメントを大きく動かすような新たな地政学リスクのヘッドラインは見られませんでした。
3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点
USDJPY (ドル円)
- 昨日の値動き: 週明けは147円台後半で落ち着いた動きでスタート。先週末は米指標を受けて一時146円台半ばまで下落する場面もありましたが、引けにかけては買い戻されました。
- 本日の注目点: まずは東京時間の仲値に向けた実需の動きが注目されます。その後は、中国LPRや欧米の経済指標(シカゴ連銀全米活動指数など)を睨みながらの展開となりそうです。上値は148円の節目、下値は147円が意識されます。
XAUUSD (ゴールド)
- 昨日の値動き: 米国金利が方向感に欠けたことから、ゴールドも1オンス$3650近辺で高値圏を維持しつつも小動きとなりました。
- 本日の注目点: 引き続き米金利の動向が最大の焦点です。本日は目立った米指標が少ないため動きは限定的かもしれませんが、ドル相場の変動には注意が必要です。$3700のレジスタンスを上抜けられるか、あるいは$3630のサポートが機能するかがポイントです。
Nikkei225 (日経平均)
- 昨日の値動き: 先週末の米国株が方向感に欠けたものの、CME日経平均先物は45,100円前後と堅調に推移して引けています。
- 本日の注目点: 先物市場の流れを受け、本日の東京市場は堅調なスタートが予想されます。心理的節目の45,000円を維持し、さらに上値を試す展開となるか注目されます。
EURUSD (ユーロドル)
- 昨日の値動き: 先週末に一時1.18台半ばまで上昇しましたが、上値の重さも確認され、週明けは1.17台後半での推移となっています。
- 本日の注目点: アジア時間は目立った材料がありませんが、欧州時間に発表されるユーロ圏消費者信頼感指数に注目。予想通りの改善が見られれば、ユーロの支援材料となる可能性があります。
その他 (GBPUSD, AUDJPY, DAX, BTCUSD, USOIL)
- GBPUSD: 先週のBOE(イングランド銀行)会合を通過し、新たな材料待ちの状態です。1.35台を回復できるか試す展開となりそうです。
- AUDJPY: 本日午前10時の中国LPR発表に最も注目が集まります。金利が据え置かれれば反応は限定的かもしれませんが、サプライズがあれば豪ドルは大きく動く可能性があります。
- DAX (ドイツ株価指数): 先週末は小動きで引けており、週明けの欧州市場も様子見ムードの強いスタートとなることが予想されます。
- BTCUSD (ビットコイン): 週末も$115,000台での取引が続き、高値圏でのもみ合いとなっています。方向感が出るには新たな材料が必要です。
- USOIL (WTI原油): 世界経済のソフトランディング期待が根強く、原油価格は底堅く推移しています。地政学リスクのニュースには引き続き注意が必要です。
4. 総括・本日の市場センチメント
- 全体的なリスクセンチメント: 中立
週明けで重要な材料も少ないことから、市場参加者は様子見姿勢を強めやすいでしょう。先週のイベントを消化し、次の方向性を探る展開が予想されます。 - 本日の戦略のヒント:
アジア時間は中国のLPR発表時の値動きに注意しつつも、基本的には大きなトレンドは出にくいと想定されます。欧米時間の経済指標までは、レンジ相場を意識した短期的な取引が中心となりそうです。無理にポジションを持たず、方向性が見えるまで待つことも有効な戦略です。