2025年10月3日のファンダ分析

アジア時間トレーダー向け日刊ファンダメンタル分析

【注意喚起】本日10月3日(金)は「ゴトー日」です

アジア時間トレーダーの皆様、本日10月3日(金)は東京市場で慣例的に**「ゴトー日(5日・10日・15日・20日・25日)」**の仲値(9時55分)にかけてドル買いが強まりやすいアノマリーの日です。輸入企業などの決済(実需のドル買い)が集中し、特に仲値公示時間前後に**USDJPY(ドル円)**などで上方向への動きが出やすい傾向があるため、注意が必要です。

FXデイリー分析レポート 2025年10月3日

1. 分析対象

  • 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
  • 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
  • コモディティ: BTCUSD, ETHUSD, SOLUSD, USOIL, COFFEE, COCOA, SUGAR
  • 対象期間: 東京時間の直近朝6時から過去24時間(2025年10月2日 東京時間午前6時 – 2025年10月3日 東京時間午前6時)

2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)

昨日の海外市場は、米政府機関の一部閉鎖の懸念が払拭されたことや、一部の労働データが弱かったことを背景に、米FRBの利下げ期待が強まり、米国株が続伸しました。ダウ平均は3日連続で最高値を更新し、ナスダックも過去最高値を記録して取引を終えました。外国為替市場では、ドル円は円安の動きが見られたものの、欧州通貨は方向感に乏しい展開となりました。商品市場では、原油価格はOPECプラス会合での増産見通しを背景に続落、ゴールドは利益確定売りに押されて下落しました。

a. 主要経済指標の結果

指標名 結果 市場予想 影響
🇦🇺 貿易収支 (8月) 18.25億豪ドルの黒字 62.00億豪ドルの黒字 黒字額が予想を大幅に下回り、豪ドル売り要因。
🇪🇺 消費者物価指数 (HICP, 9月速報値) 市場予想と一致 市場予想と一致 ユーロ圏のインフレ鈍化懸念を和らげたが、市場の反応は限定的。
🇪🇺 失業率 (8月) 市場予想より高い 市場予想より低い ユーロ円は特段の反応を示さず。

b. 要人発言・金融政策

  • ECB(欧州中央銀行): デギンドスECB副総裁が、現在の金利水準は適切との見解を示し、ユーロを下支えする材料となりました。
  • 日銀: 内田日銀副総裁が、現在の実質金利は極めて低い水準にあるとの認識を示しました。

c. 地政学リスク・その他特記事項

  • 米政府機関閉鎖の懸念払拭: 米国主要3指数は、政府閉鎖への懸念が和らいだことで、過去最高値で引けました。これにより、全体的なリスクセンチメントは改善しました。

3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点

USDJPY (ドル円)

  • 昨日の値動き: 欧州時間から円安方向へ動意づいたものの、米政府閉鎖懸念の後退と労働データの弱さからドル売りが入り、終盤は147円台半ばでのもみ合いとなりました。
  • 本日の注目点: **ゴトー日(5日)**の仲値(9時55分)にかけて、輸入企業による実需のドル買いが集中し、ドル円の上昇アノマリーが意識されます。海外市場でのドル安の流れと、このアノマリーとの綱引きに注目です。

XAUUSD (ゴールド)

  • 昨日の値動き: 米政府機関閉鎖の影響から、一時的に上昇しましたが、その後、利益確定売りが優勢となり、6営業日ぶりに下落し、1オンス**$3,856**台で取引を終えました。
  • 本日の注目点: 金利のつかないゴールドにとって、FRBの利下げ期待は追い風となりますが、短期的には直近の上昇に対する利益確定売りが続く可能性があります。高値圏での調整相場を想定し、**1オンス$3,850**付近のサポートラインを維持できるかに注目です。

GBPUSD (ポンドドル)

  • 昨日の値動き: 経済指標の発表がなかった中、ドルインデックスの動向に連動する形で、方向感の乏しい展開となりました。
  • 本日の注目点: 本日は特筆すべき経済指標がないため、ドル全体の地合いに左右されやすいでしょう。高値圏にあるため、米金利動向を見ながら調整の動きにも注意が必要です。

AUDJPY (豪ドル円)

  • 昨日の値動き: 豪8月貿易収支の黒字額が予想を大幅に下回った(金の輸出が急減したことが要因)ことを受け、豪ドルが売られる展開となりました。
  • 本日の注目点: 貿易収支の結果を受け、豪ドルへの警戒感は残ります。日銀内田副総裁の発言(実質金利は極めて低い)は円売り材料になりにくいことから、日中の豪ドル円は重い展開となる可能性もあります。

EURUSD (ユーロドル)

  • 昨日の値動き: ユーロ圏HICPは予想通り、失業率は予想より高い結果となり、市場の反応は限定的でした。方向感の乏しい横ばい圏での推移となりました。
  • 本日の注目点: 本日も目立った経済指標がないため、引き続きドルの動向に連動する展開が予想されます。

NASDAQ / Nikkei225 / DAX

  • NASDAQ (米ハイテク株): 米国時間で過去最高値を更新し、引けました。FRBの利下げ期待がハイテク株を押し上げています。
  • Nikkei225 (日経平均): 昨日は堅調に推移し、終値で45,040円をつけました。本日は、NY市場の最高値更新を好感して、堅調なスタートが予想されます。
  • DAX (ドイツ株価指数): 昨日は上昇し、堅調な値動きでした。米株の上昇を追い風に、本日の欧州時間も底堅い展開が予想されます。

BTCUSD (ビットコイン)

  • 昨日の値動き: 米国株の上昇とリスクオンの地合いを背景に上昇し、120,350ドル台で推移しました。
  • 本日の注目点: リスク選好ムードの継続性が焦点となります。心理的な節目となる$120,000ラインの維持に注目です。

USOIL (WTI原油)

  • 昨日の値動き: OPECプラス会合の増産見通しが嫌気され、5営業日続落となりました。
  • 本日の注目点: $60台前半での攻防が続いており、中東情勢などの地政学リスクと需要見通しの綱引きが継続しそうです。

4. 総括・本日の市場センチメント

  • 全体的なリスクセンチメント: リスクオン
    米株が最高値更新を続けるなど、FRBの利下げ期待を背景とした楽観ムードが市場を支配しています。
  • 本日の戦略のヒント:
    東京時間午前中は**ゴトー日**のアノマリーによるドル買いに警戒しつつ、仲値通過後の動向を見極める必要があります。海外時間にかけては、リスクオンの流れを背景に、株価指数の堅調な推移が続き、ドル高材料に乏しければ**ドルストレート(EURUSD, GBPUSDなど)**は底堅く推移する可能性が高いでしょう。週末を控えて、大きな指標発表がないため、短期的なレンジ取引や、突発的なニュースへの反応に注意が必要です。