2025年10月15日のファンダ分析

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FXデイリー分析レポート [2025年10月15日]

本日はゴトー日!東京仲値のドル買い需要に注意

本日10月15日は、5の倍数日にあたる「ゴトー日」です。東京時間午前9時55分の仲値決定に向けて、本邦輸入企業による決済のためのドル買い需要が強まる傾向があります。この時間帯のドル円の動向には特に注意が必要です。

1. 分析対象

  • 通貨ペア: XAUUSD, USDJPY, GBPUSD, AUDJPY, EURUSD
  • 株価指数: NASDAQ, Nikkei225, DAX
  • 暗号資産: BTCUSD, ETHUSD, SOLUSD
  • コモディティ: USOIL, COFFEE, COCOA, SUGAR
  • 対象期間: 2025年10月14日(火) 東京時間午前6時 – 2025年10月15日(水) 東京時間午前6時

2. 昨日の市場サマリー(欧州・米国市場)

昨晩の海外市場は、米国の強い経済指標と連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて、長期金利が上昇。これを背景にドルが主要通貨に対して全面高となる展開でした。株価は金利上昇を嫌気して上値の重い動きとなり、ゴールドはドル高と金利高のダブルパンチで下落しました。

a. 主要経済指標の結果

指標名 結果 市場予想 影響
🇺🇸 ニューヨーク連銀製造業景気指数 (10月) 1.5 -7.2 予想を大幅に上回り、米経済の底堅さを示唆。ドル買い要因。
🇺🇸 輸入物価指数 (9月) 前月比 +0.2% +0.1% 予想を上回り、インフレ圧力が根強いことを示唆。ドル買い要因。
🇩🇪 ZEW景況感調査 (10月) -12.5 -15.0 予想よりは改善したものの、依然としてマイナス圏。ユーロの上値を抑える要因。

b. 要人発言・金融政策

  • FRB(米連邦準備制度理事会): ウォーラー理事が「インフレ抑制のため、高金利をより長く維持する必要がある」と発言。市場の利下げ期待を後退させ、長期金利の上昇とドル買いを誘いました。
  • ECB(欧州中央銀行): レーン専務理事が「インフレは正しい方向に進んでいる」と述べ、追加利上げに慎重な姿勢を示唆。ユーロの重しとなりました。
  • BOE(イングランド銀行): 特筆すべき発言はありませんでした。
  • 日銀: 特筆すべき発言はありませんでした。

c. 地政学リスク・その他特記事項

  • 中東情勢の緊迫化は継続しており、原油価格(USOIL)を下支えする要因となっています。しかし、昨日は市場の関心が金融政策の方向性に向かったため、影響は限定的でした。

3. 各通貨ペア・商品の分析と本日の注目点

USDJPY (ドル円)

  • 昨日の値動き: 米国の強い経済指標とFRB高官のタカ派発言による米長期金利の上昇を受け、一時148円台後半まで上昇しました。
  • 本日の注目点: 本日は15日で「ゴトー日」です。東京時間の仲値(午前9時55分)に向けて、国内輸入企業による実需のドル買い需要が強まる傾向があり、ドル円の上昇圧力となる可能性があります。米金利の動向を引き続き注視しつつ、仲値に向けた値動きに注意が必要です。

XAUUSD (ゴールド)

  • 昨日の値動き: 先日ドル全面高と米長期金利の上昇が重しとなり、一時1オンス$4080台まで下落しました。しかしファンダ的不安要素のせいかリスクオフの流れが強く再び安全資産のゴールド買いで今日にも全戻しからの高値更新をしそうな勢い
  • 本日の注目点: 有事の金としてゴールドを支える要因ですが強いか

NASDAQ (ナスダック総合指数)

  • 昨日の値動き: 長期金利の上昇がハイテク・グロース株の重しとなり、小幅に下落しました。
  • 本日の注目点: 今晩発表される米国の小売売上高や地区連銀経済報告(ベージュブック)の結果に注目が集まります。個人消費の強さが示されれば、FRBのタカ派姿勢を後押しし、さらなる金利上昇を通じて株価の上値を抑える可能性があります。

USOIL (WTI原油)

  • 昨日の値動き: 中東の地政学リスクを背景とした供給懸念から底堅く推移し、1バレル$86台で取引されました。
  • 本日の注目点: 本日発表される米週間石油在庫統計に注目。在庫の減少が示されれば、需給の引き締まりが意識され、価格の上昇要因となる可能性があります。

その他 (EURUSD, GBPUSD, AUDJPY, 暗号資産など)

  • EURUSD: FRBとECBの金融政策の方向性の違いが意識され、下落。1.05台前半で推移。
  • GBPUSD: ドル高の流れに押され、1.21台まで下落。
  • AUDJPY: 資源国通貨である豪ドルは底堅さを見せたものの、ドル円の上昇ほどではなく、97円台でのもみ合いとなりました。
  • BTCUSD (ビットコイン): 金利上昇によるリスクオフムードから上値が重く、68,000ドル台で推移しています。
  • COFFEE, COCOA, SUGAR: 天候不順による供給懸念から、引き続き高値圏での推移となっています。

4. 総括・本日の市場センチメント

  • 全体的なリスクセンチメント: 中立〜ややリスクオフ
    FRBによる高金利長期化への警戒感が市場の重しとなっています。ドル高・金利高の圧力が継続しやすい地合いです。
  • 本日の戦略のヒント:
    基本的にはドル高の流れを想定。ただし、本日はゴトー日のため、東京時間の仲値に向けたドル円の動きには特に注意が必要です。仲値通過後は、欧州時間にかけて発表される英国の消費者物価指数(CPI)や、米国時間での小売売上高などの経済指標の結果を受けた動きが中心となります。重要な指標発表を前に、大きなポジションは取りにくい地合いかもしれません。

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